成立

タンパク質合成の特許技術で世界に進出!食と医療の課題解決に挑むバイオベンチャー「NUProtein」

NUProtein株式会社

バイオ

申込み金額 57,380,000

目標 29,640,000円

上限 95,000,000円

当案件は募集期間経過のため終了いたしました。多くのお申込みを頂きありがとうございました。

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ポイント
  • 人工培養肉製造や再生医療に不可欠なタンパク質を、従来の3,000分の1のコストで製造可能に
  • パナソニックで知財開発とCVCを経験してきた起業家が、名古屋大学発の技術を世界に展開
  • 米国・欧州の大手代替肉企業や、国内外の製粉メーカー、世界最大級の試薬商社等とも提携済み
こんな方に応援してほしい
  • 食や医療など幅広い産業の発展につながるタンパク質合成という技術領域に可能性を感じる方
  • 日本発の独自技術で世界のバイオの産業革命に挑むベンチャーの挑戦を見守りたい方
  • タンパク質合成を通じて食糧問題や医療格差の解決に貢献する取組みに社会的意義を感じていただける方
  • 詳細
  • 事業者情報
  1. 目次
  2. 事業概要
  3. なぜやるか
  4. プロダクト
  5. NUProteinを取り巻く市場・外部環境
  6. 成長計画とマイルストーン
  7. 経営者
  8. 応援コメント
  9. エンジェル税制
  10. 質疑応答

NUProtein(エヌユープロテイン)は、食と医療の両分野に向けてタンパク質合成を安く、早く、安全に大量生産する技術を提供するベンチャーです。

なぜやるか生命活動を担うタンパク質の合成技術をもっと手軽に

タンパク質は生物の生命活動を担う、重要な物質です。人間の身体をつくっている約60兆個の細胞の主成分で、筋肉や臓器、肌、髪、爪など身体のあらゆる部分を構成しています。

また、身体を動かすエネルギー源でもあり、酵素やホルモンなど体の機能を調節する大切な役割も果たしています。タンパク質が不足すると、免疫機能が低下して抵抗力が弱くなり、様々な病気にかかりやすくなってしまいます。

タンパク質は生命活動の根幹をなす重要な物質ですが、化学的・工業的に合成・生産できるものではありません。

近年、バイオテクノロジー(生物学の技術)によって食品や医療といった様々な分野で、タンパク質合成を通じて私たちの生活を豊かにする研究が進んでいます。

食品産業は人工タンパク質の研究がめざましく進歩している市場の一つです。

爆発的な人口増加を背景に食肉の消費量増大が想定され、2030年には8億4千万人が十分な食料を得られなくなる食糧危機が予測されています。

※国連 World Food Programより

この問題を解決する手段の一つが人工肉・培養肉の開発といわれます。培養肉とは家畜の細胞を体外で組織培養したもので、牛肉の10倍以上とも言われる高い資源効率を持ち、環境負荷が98%削減できるとの試算もあります。

※Energy and protein feed-to-food conversion efficiencies in the US and potential food security gains from dietary changesおよび、Environmental Impacts of Cultured Meat Productionより

アメリカでは、培養肉メーカーが2020年の1年間だけで累計約3,400億円(31億米ドル)もの投資を受けるなど、期待と注目の集まる技術領域です。

また医療分野でも、タンパク質合成技術を活用して細胞を培養し、病気や事故で損なわれた臓器などの機能を回復する再生医療の研究が進んでいます。

目や神経の難病、心不全といった分野での研究や臨床試験が進み、近年では患者から採取した細胞を培養し、3Dプリンターで移植用の臓器を製造するなどの研究も行われています。

手術や投薬といった従来の手法で治療困難だった疾患を治療でき、社会保障費の抑制につながる可能性も秘めています。

プロダクト「安い」「早い」「安全」なタンパク質合成を実現するNUProteinの技術と特許

NUProteinは、安く、早く、安全にタンパク質を合成する技術を提供することで、食料危機の解決や医療の発展に寄与していきます。

人工タンパク質の合成には、細胞を作る特殊な細胞である幹細胞と、細胞の増殖や分化を促進する成長因子という特殊なタンパク質が必要です。

NUProteinはこの成長因子を、小麦粉を製粉する際の副産物である小麦胚芽の抽出液から、圧倒的な効率で安価に生産する技術を有しています。

小麦胚芽の抽出液に、遺伝子の設計図であるmRNA(メッセンジャーRNA)を投入することで、成長因子が合成されます。

このうちNUProteinの事業では、原料となる小麦胚芽抽出液の製造から、成長因子の完成品提供までのプロセスを担います。

NUProteinの技術の革新性は、「手頃で安い」「わずか1日で早く合成」「植物由来で安心」という3点にあります。

安い:従来の3,000分の1のコストで安価に製造可能

成長因子は従来、1グラムあたり数億〜数十億円にもなる場合もあり、タンパク質合成技術のボトルネックとなっていました。

食品産業においては、変動費・製造コストの90%以上を成長因子のコストが占めると言われるほどで、再生医療においても成長因子のコストによる影響は大きく、産業化を阻む課題となっています。

この課題に応えるのが、NUProteinの技術です。

NUProteinは原材料に関わるコスト削減、タンパク質合成量の増大、細胞増殖を活性化させる独自技術により、培養肉の製造コストを、計算上 従来の3,000分の1に抑えることができます。

その要因として第一に、原材料に関わるコスト削減があります。従来の成長因子製造方法では、ハムスターや胎児など動物細胞などの原料コストや、細胞を生きたまま培養するための管理コストが非常に高価なものでした。

一方、NUProteinは製粉所の副産物である小麦胚芽の搾り汁を利用するため、原料・管理コストを非常に安く抑えることができます。

第ニに、タンパク質合成量を効率よく増大させるための特許技術群があります。

NUProtein代表取締役の南氏は、特許プール会社や著作権保護会社の設立など、知的財産の関連業務に従事してきました。これらの経験を活かし、NUProteinは独自の知財戦略に基づいてタンパク質の合成量増大に関わる国内特許を取得し、他社への優位性を構築しています。

取得済みの特許の一部は、経済産業省の戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)の支援を受けて国際特許出願済であり、今後も必要に応じて出願を行う計画です。

▲成長因子を合成する様子

加えて、成長因子の活性を高める独自の小麦胚芽抽出液の製造により、タンパク質合成時の活性が高く、成長因子の使用量を抑えることができる点もコスト削減の要因となっています。この技術により、タンパク質合成量あたりの成長因子の使用量を10分の1にまで抑えることが可能となりました。

早い:合成期間を短縮

NUProteinの2つ目の提供価値は、合成期間の短さです。これまで一般的だった細胞系合成という手法では2週間〜1ヶ月の長期培養が必要で、大量生産を阻む原因の一つとなっていました。

NUProteinの技術では、操作がシンプルで合成期間も短くて済むため、遺伝子の増幅をPCR法で行い、合成までわずか1日程度で済む特徴があります。これにより、成長因子合成のリードタイムを短縮し、効率的な生産を行うことが可能です。

※PCR法: 「ポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction)」の略で、生物の遺伝情報をもつDNAを複製して増幅させる方法。遺伝子の研究やDNA鑑定など、幅広い分野で活用される

安全:植物由来で安心

NUProteinの3つ目の価値は安全性です。 ヒト中絶胎児の癌化させた腎細胞や、ハムスターの卵巣細胞を癌化させた細胞などの動物細胞や大腸菌などの生きた細胞を培養する従来の方法に対し、NUProteinでは小麦胚芽を利用しています。

これは米国では食品レベルで生産される食用可能なもので、人畜共通感染ウイルスや内毒素など、有害物質の混入リスクが発生しません。高価なコストをかけて精製・純化を行う必要がないため、前述のコスト削減にも繋がります。

※内毒素:大腸菌やサルモネラ菌の細胞壁に存在し、菌体の破壊によって遊出してくる毒素

このように、NUProteinは「安い」「早い」「安心」を実現するタンパク質合成手段を提供しています。

NUProteinを取り巻く市場・外部環境2030年には14兆円にも成長を見込む食品市場で、培養肉の産業化を支えるプラットフォームを目指す

人工タンパク質の大量生産を可能にするNUProteinの技術は、代替肉や人工培養肉などの食品産業の市場、試薬研究や再生医療といった分野にイノベーションをもたらします。

世界的な人口爆発により肉の消費量が増えていることに加え、食糧危機問題から肉の消費量に占める代替肉の割合は10年間で10倍になるとみられています。代替肉・人工培養肉といった食品産業の世界的な市場規模は2030年にはおよそ14兆円になると予測されています。

※バークレイ投資銀行 “Alternative meat_Barclays Investment Bank”より

また、医療における合成タンパク質の市場規模、研究市場規模は、それぞれ5,600億円、1,800億円程度とみられています。医療への投資増やライフサイエンス研究の進化に伴い、iPS細胞などを用いた再生医療の研究が進めば臨床現場の新たな治療の選択肢となり、急速な市場の拡大や国際競争の激化も予想されます。

※合成タンパク質の市場規模は経済産業省「再生医療の産業化に向けた評価基盤技術開発事業報告書」よりNUProtein社試算、研究市場規模はModrdor Intelligence社 Global Protein Expression Marketより

このように、NUProteinのターゲット周辺市場はいずれも、今後急速に成長していくことが見込まれます。

成長計画とマイルストーンタンパク質合成に必要な原料と最終製品を段階的に販売。米国展開で地産地消によるコスト削減を目指す

NUProteinはこれまで、特許ポートフォリオの拡充に集中する傍ら、研究機関に向けた試薬販売事業、再生医療・食品メーカー向けに成長因子を提供する事業を展開してきました。

今後は海外市場に進出し、まずは大手の食品メーカーをターゲットに培養肉の大量製造を行うためのタンパク質合成原料の販売事業に注力していきます。

試薬販売事業は、研究機関向けの小麦胚芽抽出液とタンパク質の合成試薬をセットで販売するというものです。世界最大級の試薬商社であるメルク社の子会社であるシグマアルドリッチ社、国内のフナコシ社などを通じ、国内外の研究機関に提供しています。

成長因子の販売事業に関しては、国内外複数の企業との共同研究開発を開始している段階です。食品企業では日本の大手食肉メーカー、米国や欧州の複数の培養肉・植物由来肉メーカーに向け、成長因子のサンプル提供を行っています。また医療分野では、国内の再生医療用培地メーカーへのサンプル提供の実績も生まれています。

タンパク質合成原料販売事業は、大手食品メーカーがインハウスで成長因子を大量合成するための小麦胚芽抽出液を販売するというものです。前述の培養肉企業は、数年以内に数千リットル単位のバイオリアクター(培養槽)の製造を計画しており、NUProteinはこれらの企業への小麦胚芽抽出液の提供を目指します。

現時点の取組みとしては、国内大手プラントメーカーとの共同開発契約を元に、メーカーが成長因子を合成するための機器の開発を進めています。さらに、原料となる小麦胚芽の大量仕入のため、国内外の製粉メーカーとの協業も進行中です。

事業展開の要となるのが、米国ラボの設立および製造設備におけるスケールアップです。 NUProteinでは既に、アメリカ有数のバイオインキュベーション施設の審査に合格しており、2021年10月以降にラボへの入居が決定しています。

NUProteinの潜在顧客となるバイオテクノロジー関連産業や研究機関の立地は、米国西海岸や東海岸に集中しています。米国ラボ設立によって原料である小麦胚芽を安価に現地調達し、輸送費を含むトータルコストの削減を図ることで、海外事業への本格的な展開への足がかりとします。

以上のように、NUProteinはこれまで行ってきた試薬や研究用の成長因子サンプルの販売事業に加え、今後は小麦胚芽抽出液を複数の食品メーカーに提供することで、培養肉の産業化を支えていきます。

  • 2021年

    米国にラボ設立

  • 2022年

    海外培養肉メーカー各社、国内大手食品メーカーへ小麦胚芽抽出液の定期納入開始

  • 202X年

    M&Aイグジット

経営者 パナソニックで100を超える知財の開発とCVC(コーポーレートベンチャーキャピタル)を経験してきた起業家

代表取締役

南 賢尚

1961年生まれ。名古屋大学工学部卒、名古屋商科大学マネジメント研究科修了(MBA)。1985年にパナソニック株式会社(旧: ​​松下電器産業株式会社)に入社後、SDカードの必須特許をはじめ、連名を含めて100件超の特許を発明。併せて米国にてコーポレートベンチャー投資、インキュベーション業務に従事。2014年1月名古屋大学学術研究産学官連携推進本部、特任講師。2016年8月名古屋大学を退職しNUProtein株式会社を設立、代表取締役に就任。

 

取締役CTO・徳島研究室所長

多田 裕昭

徳島大学工学部卒。2009年、アフィニティービーズの研究開発製造を行うバイオジーク社を創業。新奇小麦胚芽抽出方法の発明により、当時高価だった無細胞タンパク質合成試薬の廉価化に成功。2016年、NUProtein株式会社の取締役に就任。

受賞歴

NUProtein社は、世界最大のピッチコンテストUnicorn Battle ASIAにおける準優勝をはじめ、多数の賞やアクセラレーションプログラムに採択されています。

メディア実績

引用論文

応援コメントNUProtein 南代表への応援コメント

パナソニック株式会社 専務執行役員

宮部 義幸

『何年かぶりに南さんからコンタクトがあり、バイオの水道哲学を医療・食で実現しようとしていると聞き、大変驚くと共にパナソニックのDNAがこんなところにも生きていると感じました。南さんがパナソニック在職中には、シリコンバレーでのベンチャー企業との共同開発、投資業務等をお願いし、事業インパクトのある様々な技術の目利きをしてもらいました。この頃の延長で今はバイオに注力されているのだなと感じています。 今後に大いに期待しております。』

 

奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 教授
バイオサイエンス領域 バイオエンジニアリング研究室

加藤 晃

『私の研究室ではバイオテクノロジーによる社会貢献を念頭に、特に植物の遺伝子発現制御機構を理解し、バイオ医薬品などの有用タンパク質を植物で高生産するための基盤技術の開発を行っています。
NUProtein社とは、コムギ胚芽由来無細胞タンパク質合成系を核に有用タンパク質の高生産に関する共同研究を実施しており、経済産業省の戦略的基盤技術高度化支援事業では、新規特許取得を含め多くの成果があがっています。 有用タンパク質が今後更に安価になることで、医療・食・バイオマスエネルギー・化粧品等の幅広い領域に貢献できるものと考えます。皆様のNUProtein社へのご支援よろしくお願いいたします。』

 

Cellular Agriculture Australia 事務局長

Bianca Le 博士

『私は細胞生物学者であり、オーストラリアで新興の細胞農業研究分野と産業を開発している非営利団体であるCellular Agriculture Australiaの事務局長です。南氏の率いるNUProteinのような会社は、オーストラリアの代替タンパク質エコシステムに大いに貢献するでしょう。』

“I am a cell biologist and the Executive Director of Cellular Agriculture Australia, a nonprofit organisation developing the emerging cellular agriculture research field and industry in Australia. A company like NUProtein with Masataka's leadership would greatly contribute to the alternative protein ecosystem in Australia.”

▼Cellular Agriculture Australiaについて
オーストラリアの細胞農業分野全体で研究、コラボレーション、イノベーションを促進するNPO

 

WildType社 共同創業者

Justin Kolbeck(左)、Aryé Elfenbein(右)

『タンパク質成長因子は、細胞培養における最も特殊で高価な成分の代表的なものです。タンパク質合成に小麦胚芽を使用するNUProteinの革新的で用途の広い技術は、細胞農業の分野におけるコストや、生物種の特異性の両方の問題に対処する可能性を秘めています。』

“Protein growth factors represent some of the most specialized and expensive components of cell culture media. Using wheat germ for protein synthesis, NUProtein's innovative and versatile approach has the potential to address the issues of both cost and species specificity in the field of cellular agriculture.”

▼Wildtype社について
カリフォルニア州サンフランシスコを拠点とするスタートアップ。細胞培養技術を使用して天然の魚と同じ栄養価・美味しさをもったサーモンの生産を行い、海の豊かさを守りながら食の安全、健康問題などの課題に取り組む。2021年7月、賞金総額16億円のXPRIZE “Feed The Next Billion” セミファイナリスト企業に選出。

 

TurtleTree社 共同創業者

Max Rye(左)、Fengru Lin(右)

『TurtleTreeは持続可能な食品を通じて世界をより良くすることに取り組んでいます。そのために地球、動物、そして人々にとってより良い培養肉と乳製品を作ることを目指しています。大規模なタンパク質合成を簡単に可能にするNUProteinの小麦胚芽由来の技術は、この目標を実現するための非常に価値のある手段です。』

"TurtleTree is committed to uplifting the world through sustainable nutrition. In order to achieve this, we're seeking to create cultivated meat and dairy that’s better for the planet, animals, and people alike. By enabling affordable protein synthesis at scale, NUProtein's wheat germ-based technology represents an invaluable means of turning this aspiration into reality."

▼TurtleTree社について
シンガポール発スタートアップ。人道的に採取された乳牛の細胞を培養し、本物と同じ成分・風味・栄養をもった人工母乳やミルクを製造する。天然資源を守り、病原体などのリスクのない乳製品の生産を目指す。2021年1月、米国にR&Dセンターとして「TurtleTree Scientific」を開設。

エンジェル税制所得税の優遇措置Bの対象です

対象企業へ投資した年の株式譲渡益から対象企業への投資金額全額を控除できる「優遇措置B」の対象です。

エンジェル税制や申請手続きの流れについての詳細は「エンジェル税制について」をご確認ください。

質疑応答投資家の皆さまからの質問にお答えしました

募集開始前に、8号案件「NUProtein」南代表へのご質問を受付いたしました。投資家の皆さまからいただいたご質問に南代表がお答えする動画を、以下から視聴できます。

▼事業概要説明

▼事業の周辺知識について

▼マーケットについて

▼技術・プロダクトについて

▼事業戦略について

▼ファイナンスについて

▼経営者について

▼投資家の方へメッセージ

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