成立

日米特許取得済のマイクロRNA技術で早期膀胱がんに挑む、大学発創薬ベンチャー「e-NA Biotec」

株式会社 e-NA Biotec

創薬・製薬

申込み金額 29,900,000

目標 20,000,000円

上限 99,900,000円

当案件は募集期間経過のため終了いたしました。多くのお申込みを頂きありがとうございました。

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ポイント
  • 早期膀胱がんに苦しむ患者のQOL向上のため、世界初のマイクロRNA医薬の上市に挑む
  • 遺伝子変異が多く薬剤耐性を獲得しやすい大腸がん、すい臓がんなどにも展開予定
  • 35年間核酸医薬の創成に従事してきた専門家と、国内マイクロRNA研究の第一人者がタッグを組み事業推進
こんな方に応援してほしい
  • 新型コロナのmRNAワクチン登場で注目を集める「核酸医薬」の領域に関心がある方
  • 難病への革新的な治療法を提供するという社会的意義に共感する方
  • 最先端技術を用いた医薬品をより多くの患者へ届けるベンチャーを応援したい方
  • 詳細
  • 事業者情報
  1. 目次
  2. 事業概要
  3. なぜやるか
  4. プロダクト
  5. 核酸医薬を取り巻く市場
  6. マイルストーン
  7. チーム
  8. 応援コメント
  9. エンジェル税制
  10. 質疑応答

e-NA Biotec(イーエヌエー バイオテック)は、核酸医薬の上市を目指す、岐阜大学発の創薬ベンチャーです。

※核酸医薬:DNAやRNAといった遺伝情報を司る物質「核酸」からなる医薬

なぜやるかいまだ有効な治療法がない、早期膀胱がんに対する医療ニーズに応える

医薬品や医療機器の開発など、医療の技術革新により、疾患の治療に対する選択肢が広がりつつあり、その市場規模も世界的に拡大しています。

しかし、いまだ有効な治療法がない疾患に対する医療ニーズ(アンメット・ニーズ)は数多く存在しており、患者の苦痛を軽減するための開発が行われています。

多くの患者にとって有効な治療法がなく新薬の登場が待望される病気の一例として、早期膀胱(ぼうこう)がんがあります。

膀胱がんは、尿をためたり排泄する働きを持つ膀胱にできるがん(悪性腫瘍)です。

日本国内では年間2.3万人(うち男性1.8万人)が膀胱がんと診断され、0.9万人が亡くなっています。多くは60代以上で発症し、男女比はおよそ3対1で男性のかかりやすい病気です。

ほとんどの膀胱がんは、膀胱の内側を覆っている粘膜上皮から発生します。膀胱がんの約75%は、筋層まで広がっていない状態の早期膀胱がんとして発見されます。

※日本癌治療協会 診療ガイドライン「膀胱がん」

早期膀胱がんの現行治療は、内視鏡によるがん組織の切除とBCG(抗結核ワクチン)の注入です。しかし、再発や進行がんへの移行リスクが高く、結果として6割を超えるケース*で、がんが筋層まで広がり膀胱の全摘出に至ります。

※東京慈恵会医科大学附属柏病院泌尿器科「T1 high grade 膀胱癌の臨床的検討」

膀胱全摘出手術では、男性の場合は前立腺・精のう・リンパ節を、女性の場合は子宮・膣前壁・尿道、場合によっては卵巣も同時に摘除します。

膀胱の摘出後は、手術で尿の出口を人工的につくるストーマ手術か、回腸(小腸の中で大腸につながる部分)を利用した代用膀胱の造設手術が必要になります。

ストーマ手術を行うと自分の意志で排泄コントロールができなくなるため、尿をためる袋をつける必要が生じます。また、代用膀胱では2〜3日に1度の膀胱洗浄が必要になるといったデメリットも発生します。

このように現行の治療法では、患者のQOL(生活の質)に課題が残ってしまいます。1人でも多くの早期膀胱がん患者を膀胱全摘のリスクから解放し、QOL向上を目指すのが、e-NA Biotecの技術です。

プロダクト早期膀胱がん治療のパラダイムシフトを狙い、世界初のマイクロRNA医薬の上市に挑む

e-NA Biotecは難治性がんに苦しむ患者へ、最新の生命科学の成果を広く届けることを目指す創薬ベンチャーです。

がん増殖の促進に密接に関与する遺伝子「RAS」を抑制する「ラスミヤ143」という核酸医薬の研究開発を、これまで科学技術振興機構(JST)等の公的機関の支援を受けながら進めてきました。

ラスミヤ143の特徴は、以下の3点です。

1.次世代の分子標的医薬で、従来の医薬品では狙えない細胞内の分子を標的に

ラスミヤ143は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンでも注目を集める核酸(DNAやRNAなど、遺伝情報を司る物質)のポテンシャルを応用した医薬です。

近年、抗がん剤の領域では、がん細胞と正常細胞の違いに的を絞ってがん細胞の増殖を抑える「分子標的医薬」の開発が進んでいます。分子標的医薬は、「低分子医薬」「抗体医薬」「核酸医薬」の順に研究が進められてきました。

低分子医薬は構造がシンプルで小さいため細胞内に入りやすいものの、正常細胞にも作用しやすく、さまざまな副作用を引き起こすことがあります。

また抗体医薬(高分子医薬)は、がん細胞のみに作用しますが、細胞や生物を利用した製造が必須であることから、製造コストが課題となっていました。

一方、近年注目を集めるのは、がん細胞の自己複製の邪魔をすることで、がん細胞の増殖や転移を抑え込む「核酸医薬」です。

核酸医薬は、従来の医薬品では狙えない細胞内の分子を標的にできること、製造工程がシンプルで大量生産が比較的容易であることから、高い期待が寄せられています。

2.がん増殖を促進する遺伝子「RAS」を多角的に抑制する、世界初のマイクロRNA医薬の上市を目指す

ラスミヤ143は、がん増殖を促進する遺伝子「RAS」と、その周辺ネットワークに作用してがんの増殖を抑制する、世界初のマイクロRNA医薬の上市を目指します。

膀胱がんを始め、悪性度が高く致死的ながんの一部(大腸がん、すい臓がんなど)、ヒトの全てのがんのうち3割には、「RAS」というタンパク質の突然変異が確認されています。

RASは本来、細胞の増殖などに関わるタンパク質ですが、RASの遺伝子に変異が起こるとがん細胞の増殖が促進されてしまいます。

RASを阻害することができれば、多くのがんにおいて細胞増殖を食い止められることから、RASを標的とした医薬品の開発は30年以上前から世界中で行われてきました。

しかしながら、RASタンパク質は低分子医薬品が結合しづらく薬剤の設計が難しいことや、従来の医薬品ではRASを抑制できたとしても、RASの暴走によって促進された周辺のがん促進遺伝子ネットワークを抑制することが難しく、創薬は困難とされてきました。

e-NA Biotecが上市を目指すラスミヤ143は、これらの課題の解決を目指す次世代の分子標的医薬です。

ラスミヤ143は、「マイクロRNA」という物質を応用した医薬です。

マイクロRNAは、複数の遺伝子の発現を調整する物質です。ラスミヤ143のマイクロRNAは、RASタンパク質の設計図であるメッセンジャーRNA(mRNA)と結合することで、特定のタンパク質の発現を抑制する「RNA干渉」という現象を起こします。

「マイクロRNAを医薬品として実用化する」というアイデアは、e-NA Biotec創業者・北出氏の共同研究者である岐阜大学の赤尾教授が第一人者として、世界に先駆けて研究を行ってきた分野です。岐阜大学との共同研究で、マイクロRNAが がんを標的にした医療手段として効果的であることを確認しています。

ラスミヤ143は、RASのmRNA内の発現を制御する部分(発現スイッチ)に作用し、RASタンパク質の発現を抑制します。

また、RASの発現を抑制するだけでなく、これまで難しいとされてきた変異RASや周辺のがん遺伝子を含めて抑制し、ネットワークの機能ごと破綻させることが可能となっています。

e-NA BiotecはマイクロRNAのひとつである「マイクロRNA-143」が、RASネットワークを抑制することを発見しました。

ラスミヤ143は、化学修飾して安定性を向上させたマイクロRNA-143を、ナノカプセルに搭載したものです。

※化学修飾:生体内での安定性を向上するように、DNAやRNAなどの核酸の特定の部位を化学的に変化させて、活性や反応性などの機能を変化させること

この化学修飾は、核酸化学の長年のノウハウを活かし、200種類以上から安定的で効果的な化学修飾配列を見出したものです。2020年に国内で、2021年に米国での特許を取得し、中国・EUでも国際特許を出願中(審査中)です。

ラスミヤ143は膀胱内の投与で効果がみられることを、ラット*を用いた実験によって実証している段階です。実験上は顕著な抗腫瘍活性がみられ、副作用は確認されていません。

※ヒト膀胱がんに最も近い膀胱がんモデルラットで検証

3.汎用性が高く、膀胱がん以外の治療薬にも広く展開

e-NA Biotecは、まずは早期膀胱がんの治療薬としてラスミヤ143の実用化を進めています。

最初に早期膀胱がんに着手する理由は、有効な治療法が発見されておらず患者の苦痛が大きい(アンメット・ニーズである)こと、局所投与であり効果や安全性の検証が容易で開発コストが小さいこと、という2点です。

ラスミヤ143は全てのがんの3割に共通するRASネットワークを標的とすることから、大腸がん、すい臓がんなど、難治性のさまざまながんの治療薬への展開を目指します。

核酸医薬を取り巻く市場新型コロナのmRNAワクチン登場で、バイオベンチャーや核酸医薬への注目も追い風に

近年、「いかに健康的に⻑生きするか」という「健康寿命」という新たな定義が提唱されています。高齢化にともない難治性がんの患者数も年々増加している背景下で、患者のQOL向上や医療費削減が課題となっています。

ラスミヤ143が上市された場合、e-NA Biotec社は世界の早期膀胱がんアンメット患者14万人に対して展開し、1,400億円以上*の売上を目指したいと考えています。

※ e-NA Biotec社試算 14万人 × 25万円/回 × 4回/1クール

また、ラスミヤ143が将来的に適用可能と想定している難治性がんの大腸がん、すい臓がんの患者数は膀胱がんよりも多く、適応拡大が実現すれば、さらに大きな事業インパクトが期待されます。

新型コロナウイルス感染症のmRNAワクチンにより、核酸医薬が感染症に有効であることが一般に知られるようになりました。

核酸医薬は2030年には2.1兆円市場になることが予想されており、難治性のがんに有効な核酸医薬への注目や期待も、高まっていくと考えられます。

また、現在、世界では15品目の核酸医薬品が承認されています。半数以上にあたる10品目がこの5年以内に上市されていることからも核酸医薬の開発は活性化していることが分かります。

マイルストーンRNA医薬の新産業に特化したバイオベンチャーとして成⻑

創薬事業では一般的に、画期的な新薬を開発できれば、年間数千億円規模の売上となることもあり、特許が切れるまで継続的な収入が見込めます。そのかわり開発には10年以上の時間がかかるのが一般的で、開発費用は数百億円に上ることも珍しくありません。また、順調に開発が進んだ場合も、必ずしも承認を得られる保証はなくハイリスク・ハイリターンな事業です。

新薬が承認を取得するまでには、基礎研究、非臨床試験、臨床試験の段階を経て、有効性や安全性を評価する必要があります。

ラスミヤ143に関しては、膀胱がんのモデル動物を用いた実証実験を含めて基礎研究が終了している段階で、今後非臨床試験を進めていくフェーズです。その中で製剤化の検討、安全性・有効性の試験を行っていきます。

その後、少人数でヒトへの有効性を明らかにするという目的で予備的臨床試験を進めます。

ラスミヤ143が上市されるまでは売上が計上される予定はありませんが、研究が順調に進み、承認・販売に至った場合、製品販売に伴う収益を得られます。また、製薬会社へのライセンスアウトに至った場合は、契約一時金による収益や、臨床試験の節目で製薬会社から受領するマイルストーン収入を得られる可能性があります。

e-NA Biotecは2020年度に「岐阜大学発ベンチャー」として認定され、その研究チームメンバーはこれまで科学技術振興機構(JST)、日本医療研究開発機構(AMED)や日本学術振興会(科学研究費助成事業)などの支援を受けながらラスミヤ143の基礎研究を進めてきました。

また、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)認定のベンチャーキャピタルである、バイオ・サイト・キャピタル社からも出資を受けています。

ラスミヤ143の製剤化法確立に関しては、国内核酸化学メーカー等へ製造や試験などを委託して開発を進める方針です。ファブレスの事業形態を採用することで最小限の設備・人材投資に抑え、製造コスト削減を図ります。

動物を用いた医薬品の信頼性や安全性の試験に関しては、民間の医薬品開発受託会社と連携していく方針です。

また予備的臨床試験においては、ヒトでの有効性を明らかにし、製薬会社へのライセンスアウトを目指しています。試験にあたっては、日本の泌尿器科の第一人者である、大阪医科薬科大学泌尿器科の東教授の協力を得ながら実施する予定です。

  • 2021年

    ・ラスミヤ143の製剤化、工業化製造の検討を開始

  • 2023年

    ・非臨床試験(安全性・有効性)を開始
    ・予備的臨床試験に向けた取り組みを開始

  • 202X年

    ・IPOやライセンスアウトによる資金調達
    ・第一段階上市(国内)
    ・第一段階上市(国外)

チーム35年間核酸医薬の創成に従事してきた専門家と、国内マイクロRNA研究の第一人者がタッグを組み事業推進

代表取締役

北出 幸夫

岐阜薬科大学大学院 修士課程修了 薬学博士。米国国立衛生研究所(NIH)博士研究員を経て、2001年に岐阜大学工学部教授。2016年に愛知工業大学工学部教授、岐阜大学名誉教授、岐阜大学特任教授。2018年、株式会社e-NA Biotecを設立。過去35年にわたり、様々な核酸修飾法の開発、及び、感染症治療薬と抗がん薬の開発に従事。遺伝情報を活用した創薬、特に抗マラリア薬の開発やRNA干渉を示すマイクロRNA創薬に従事している。2021年、日本核酸化学会・池原賞を受賞。200報以上の原著論文、10件以上の特許を所有。

 

共同研究者

赤尾 幸博

岐阜大学大学院適合創業医療情報研究科 特任教授。大阪医科大学を卒業し、名古屋第一赤十字病院内科勤務。名古屋大学医学部第一内科、分院内科にて医学博士取得。 米国ウイスター研究所、愛知県がんセンター研究所を経て、大阪医科大学(現 大阪医科薬科大学)助教授、岐阜県国際バイオ研究所部長。2009年、岐阜大学大学院連合創薬医療情報研究科教授、2018年に同 特任教授に就任。腫瘍医学、RNA医療研究に従事し、マイクロRNAの基礎研究から創薬までを展開。2020年11月、RAS遺伝子を標的にしたマイクロRNA核酸医薬の開発に成功。

 

共同研究者

宮本 寛子

北九州市立大学大学院博士後期課程修了。博士(工学)。2017年愛知工業大学工学部応用化学科助教。2021年より同大学講師。核酸医薬に関連したドラックデリバリーシステムの研究が専門。e-NA Biotecが取り組むトランスレーショナルリサーチに共同研究者として参加。

 

メディア実績

  • 「大学発ベンチャー 新たに2社を認定 岐阜大」- 中日新聞
  • 「『岐阜大発ベンチャー』認定 がん治療薬や毒性試験の予測ソフト開発」- 岐阜新聞

応援コメントe-NA Biotec 北出代表への応援コメント

大阪医科薬科大学 医学部医学科 泌尿器科教授
大阪医科大学附属病院血液浄化センター センター長

東 治人

膀胱に発症する上皮内がんは内視鏡手術による治療が可能であるが、再発率が極めて高く、再発予防としてBCGの膀胱内投与を施行しても約半数の症例で再発する。再発症例ではストーマ設置を伴う膀胱全摘術を余儀なくされ、また、一部の症例では転移をきたすことも少なくないことから有効な新規治療の開発が必須である。複数のがん遺伝子をアタックする革新的な薬剤であるマイクロRNA核酸医薬は、これまでin vitro、および、動物モデルによる基礎研究データで有意な治療効果を明らかにされており、今後、臨床における有用性が大きく期待される。

 

名古屋大学名誉教授、金沢大学名誉教授

横井 毅

北出さんが、岐阜大学時代からmiRNA研究会等の主催など、活発な研究活動については聞いていました。しかし、会社を立ち上げ、本格的にマイクロRNA創薬に乗り出していることは、つい先日聞いて驚きました。 マイクロRNAは全身の全ての部位で、全ての生命現象に関わっていますが、その全容解明は道半ばです。癌などの疾病診断マーカーとしては実用段階にありますが、治療薬としてマイクロRNAは、今まさに世界中で開発競争が行われています。北出さんは、癌治療を目指した新規マイクロRNAで特許を取得済みであり、臨床試験目前です。大きな可能性を秘めた日本発の新しいマイクロRNA創薬に大いに期待しています。

 

藤田医科大学 消化器内科 准教授
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医

中川 義仁

現在RAS変異大腸がんは、セツキシマブなど抗EGFR抗体薬の効果が期待できず治療薬の選択肢が狭められています。一方でRAS遺伝子ネットワークを破綻させるラスミヤ143は、RAS変異大腸がんに対しても有効であることが基礎的研究で証明されており、有望な治療薬として期待されます。

エンジェル税制所得税の優遇措置A・Bの対象です

対象企業へ投資した年の税制上の優遇措置として、投資額から2,000円差し引いた額をその年の総所得金額から控除できる優遇措置A、投資額全額をその年の他の株式譲渡益から控除できる優遇措置Bのどちらかを選択することができます。

エンジェル税制や申請手続きの流れについての詳細は「エンジェル税制について」をご確認ください。

質疑応答投資家の皆さまからの質問にお答えしました

募集開始前に、9号案件「e-NA Biotec」北出代表へのご質問を受付いたしました。投資家の皆さまからいただいたご質問に南代表がお答えする動画を、以下から視聴できます。

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