特許技術の導電性ナノインクで電子回路の生産プロセス変革に挑む「C-INK」
株式会社C-INK
エレクトロニクス
- ポイント
- エレクトロニクス産業で普及が期待される「銀ナノインク」で国内有数の製造実績
- これまで困難だった電子回路の安定的かつ高精度なインクジェット印刷を可能にする技術優位性
- 信頼性の高さや多品種生産の容易さで、NASDAQ上場大手のタッチパネルなどで採用計画
- こんな方に応援してほしい
- 世界的に年平均19%の成長率が予想される、プリンテッドエレクトロニクス市場の領域に投資したい方
- 製造現場の効率化・省資源化を進め、エレクトロニクス産業を革新させるという挑戦を応援したい方
- 地産地消型ビジネスを支援し、国内への製造プロセス回帰を目指すビジョンに共感する方
- 詳細
- 事業者情報
- 目次
- 事業概要
- なぜやるのか
- プロダクト・ソリューション
- ビジネスモデル・導入実績
- 市場の成長性
- 事業戦略・マイルストーン
- メンバー
- 既存株主
- 応援コメント
- 事業のリスク
- 事業ピッチ・質疑応答
C-INKは、エレクトロニクスにおける電子回路の製造に不可欠な「導電性インク」の開発に取り組む岡山大学発のベンチャー企業です。
印刷精度や耐久性に強みを持つ独自技術の導電性インクで、市場拡大が見込まれるエレクトロニクス産業の製造効率化と省資源化を目指します。
なぜやるのか独自技術を活用した導電性インクで、電子回路の製造プロセスを劇的に効率化
IoTや5Gの浸透に伴い、あらゆるモノの電子化が進んでいます。自動車やスマートフォンはもちろん、超軽量のウェアラブル端末や折りたためるディスプレイなど、電子機器の形態は、産業用・家庭用を問わず、これまでに増して多様化・複雑化しています。
これらの電子機器を支える主要部品の一つが電子回路基板です。電子回路基板は、電子部品同士の信号や電力の伝送などに必要な配線を配置した部品です。電子機器の血管・神経ともいうべき、なくてはならない存在です。
電子回路基板の形成に欠かせないのが「プリンテッドエレクトロニクス」と呼ばれる印刷技術です。金属など電気を通す物質を含んだ「導電性インク」を用い、基板上に電子回路を形成します。
この導電性インクの中で、現在主流となっているのが、樹脂のペーストの中に銀の粒子を分散させた「銀ペースト」です。
しかし、銀ペーストにおいて使用される「スクリーン印刷」という印刷方法は、印刷用の版(スクリーン)の制作、インクの充填、版の洗浄など手作業が多いという課題が存在します。そのため、電子回路基板製造者や電子機器メーカーは、人件費というコストの問題に加え、自動生産プロセスを構築することが難しいという問題を抱えることになりました。
製造業では近年、製品を製造する国で素材や部品も調達する「地産地消」型サプライチェーンの構築が進みつつあります。背景には、新型コロナウイルス感染症や各国貿易摩擦の拡大などに伴い、世界的なサプライチェーンの混乱が顕在化したことなどが挙げられます。地域経済を支える工場の海外移転などが指摘されてきた日本でも、製造現場の国内回帰が加速すると予想されています。
慢性的な人手不足の問題を抱える日本の製造業の国内回帰を後押しするのが、省人化のカギを握る自動生産技術です。ただ電子回路の製造現場では、銀ペーストという材料が理由でほとんど生産自動化が進まず、依然として手作業に頼らざるを得ない状況となっているのです。
電子機器の多様化により一層の生産性向上が求められる状況下にもあり、電子回路基板製造者や電子機器メーカーではこれまで以上に生産プロセスの自動化ニーズが高まっています。
自動生産のニーズが高まる中、注目されているのが「銀ナノインク」を活用したインクジェット印刷です。銀ナノインクとは、数10ナノメートルの銀のナノ粒子が、液中に分散している状態のインクを指します。
銀ナノインクは銀ペーストに比べて粘度が低く、安定的に回路を印刷することが可能です。また、回路の設計から印刷までをデジタル化・自動化できるため、製造現場の大幅な工数削減が可能となります。
また、版の全面にインクを塗り付けるスクリーン印刷と違い、インクジェット印刷は設計した部分のみにインクを出すことができます。銀の国際価格は年々高騰しています。インクジェット印刷は銀の使用量も大幅にカットできるため、コストが低く、資源の消費が少ない電子回路の製造が叶います。
実際、使い捨て心電図用の電極の生産を行う企業における試算では、C-INK製品を使ったインクジェット印刷により、電子回路形成で年間5,000万円かかっていた人件費を、1,000万円に削減できる見込みです。使用していた銀の材料費も50%削減できる計算です。
このように、銀ナノインクとインクジェット印刷は、製造現場の生産性向上とコスト削減を実現できる技術です。私たちの身の回りの電子機器を、素材から刷新することで、製造現場の持続可能性を高めるとともに、日本の製造業の再興や、世界の地産地消型サプライチェーンの構築に、C-INKは挑戦します。
プロダクト・ソリューション独自の粒子加工技術で安定性・量産性に優れた銀ナノインクを生産
C-INKは、国内でも有数の銀ナノインクの製造実績を持っています。
銀ナノインクにもいくつかの種類がありますが、他社製品がトルエンなどの有機溶剤に粒子を分散させた「溶剤系」なのに対し、C-INK製品の『DryCure(ドライキュア)』は水に溶かした「水系」のナノインクです。
DryCureの主原料は、C-INKの独自技術で合成した銀のナノ粒子です。
金属のナノ粒子は本来、化学構造的に不安定で変質しやすい性質を持っています。安定させるためにはナノ粒子の周りに有機物などで保護層を形成する必要がありますが、C-INKは粒子の表面を加工する独自技術で、この保護層を薄くすることに成功しています。
この技術にたどり着くまでに、C-INKは試験管を用いた研究レベルで1万回以上の試行錯誤を繰り返しました。この特殊な銀ナノ粒子を大量生産するのも極めて難しく、高い技術が必要となります。
この合成技術に関して、C-INKは特許を取得していることに加え(特許5833540号、特許6029721号)、ナノ粒子合成に関するノウハウを秘匿することで、他のインクメーカーに対して参入障壁を築いています。
特徴1: インクジェット印刷による安定的な細線印刷
DryCureの最大の強みは、微細な回路を印刷できる点です。
銀ナノインクは、一般的に、PET素材のフィルムなどに印刷するとインクが広がったり滲んだりしてしまい、クオリティの高い印刷をすることが困難でした。インクを意図した場所に定着させるためには、印刷する基板に専用の下地材を塗るなど、特別な前処理が必要でした。
一方、DryCureは基板を温めながら印刷することで、微細な配線を形成することが可能です。C-INKの独自技術によって、インクの液温を上げると金属ナノ粒子同士が瞬時に凝集し、インクの粘度を高める特性を持たせているためです。
また、他社製品でDryCureのような十分な導電性を得るためには、金属ナノ粒子の周りの保護層を高温で熱分解することが必要です。これは保護層が電気を通しにくい性質を持つためです。第三者機関(株式会社ダン計画研究所)の調査によると、有機物の少ないDryCureは125度の加熱で十分な抵抗値が得られましたが、他社製品では200度以上加熱しなければ、十分な抵抗値が得られませんでした。
高温処理を必要とする場合、熱に弱いフレキシブル基板やPET素材への印刷が難しくなります。低温で処理できるDryCureなら、より幅広い素材に印刷することが可能になります。
加えて同機関の調査では、DryCureを使った印刷機では、安定的に精度の高い印刷ができることが確認されました。断続的に30分間印刷したところ、他社製品は途中でプリンターの吐出口(ノズル)が目詰まりしたりインクの吐出が不安定になったりしましたが、DryCureは30分間高い精度を保った印刷をすることができました。
比較的長期の保存も可能です。多くのインクは未開封の状態で冷蔵保存しても製造から1年経つと劣化するとされていますが、C-INK調べではDryCureは冷蔵保存で1年経っても変質は見られませんでした。
特徴2: 金属純度が高く、抵抗劣化が生じにくい
現在主流の銀ペーストに比べ、抵抗劣化が少ないといった特徴もあります。
DryCureをはじめとする銀ナノインクの場合、ナノ粒子同士が融着して金属結合し、アルミホイルのような純度の高い金属薄膜を形成することができます。このため耐久性の高い電子回路を形成可能です。また、室温85℃湿度95%の試験環境下でも内部まで酸化が進むことはなく、抵抗率の経年劣化もほとんどありませんでした※。
一方、銀ペーストは銀ナノインクに比べて銀の粒子が大きく、時間が経つと銀が酸化し電気が流れにくくなります。
DryCureの抵抗率は、従来の銀ペーストの10分の1以下にとどまり、銀の使用量も10分の1で済ませることができます※。
※いずれもC-INKによる試験結果
特徴3: 環境負荷の少ない生産・製造が可能
DryCureは、資源消費や環境負荷の少ないサステナブルな素材です。
上記の通り、銀ペーストよりも電気を通しやすいため銀の使用量は10分の1程度に抑えられます。このほかインクジェットで印刷するため、必要な部分に必要な量のみインクを使用できます。
銀ペーストによるスクリーン印刷は、版を洗う際に洗浄用シンナーが使われることがありましたが、インクジェット印刷のためこうした資材も不要になります。
また銀ナノインクの中でも、溶剤系インクは、ナノ粒子の製造時に毒性を有するトルエンをはじめとした有機溶剤を多量に使い、かつ印刷時にも溶剤の揮発による作業環境の汚染が生じます。水系インクであるDryCureの原料のほとんどは銀と水で、こうした心配もありません。
このためDryCureは、人にも環境にも優しい素材として、製造現場の持続可能性を高められる可能性があります。
ビジネスモデル・導入実績信頼性を求められるNASDAQ上場企業の航空機システムで採用計画
C-INKは「導電性インク」のメーカーとして、電子回路基板製造者や電子機器メーカーに対して、導電性インクおよび、インクジェット印刷に必要な専用のプリンターを販売することで収益をあげるビジネスです。
C-INKはISO 9001(品質マネジメントシステム)、ISO 14001(環境マネジメントシステム)を取得しています。製造品質や環境を整備したことで、国内外のメーカーと直接取引を行うことも可能です。
※ISO(国際標準化機構)規格:国際的な取引をスムーズにするための国際的な規格。製品そのものを対象とする「モノ規格」や組織の品質活動や環境活動を管理するための仕組みを対象とする「マネジメントシステム規格」などがある
取り扱うインクに関しては、売上高に占める原材料費の比率が、化学産業全体の値(70%程度※)と比べて極めて低い10%程度となっています。これは独自の製造技術による参入障壁で価格競争が起きにくいことや、水系インクのため溶剤系よりも製造コストを低減しやすいことなどが主な理由です。
※経済産業省資料を基に算出
またインクを販売するためには、それを印刷するためのプリンターの提供や印刷方法の提案も重要になってきます。
そこでC-INKでは、初期評価と量産用プリンターの供給をスムーズに進めるため、主にセイコーエプソン株式会社、ナカンテクノ株式会社、マイクロクラフト株式会社の3社とタイアップしています。それぞれの印刷機メーカーとともに、電子機器メーカーのニーズに合わせた印刷方法の提案と、専用印刷機の共同開発を行っています。
印刷機メーカーとの連携などにより、大手企業での採用事例も進みつつあります。
NASDAQ上場のアメリカ航空機器メーカーの、航空機内に搭載するシステム制御用タッチパネルの外周配線に、C-INK製品が採用される計画です。すでにマイクロクラフト社と共同提案したインクジェットによる配線量産機をメーカー側に導入済みで、計画どおりに進めば2023年初頭から実際の生産が開始されます。
航空機器の製造でC-INK製品の導入が実現したのは、多様な回路を簡単に自動生産することができるためです。信頼性の高い配線形成が可能といった、C-INK製品の特徴も評価された形です。
また別の顧客企業が、東証プライム上場の電子機器メーカーに対して、C-INK製品を使ったディスプレイ内部に組み込むプリント基板を製造・供給しています。このほかスマートフォン用電子部品への活用に向けた共同開発の試みなども進捗しています。
市場の成長性プリンテッドエレクトロニクス市場は年平均成長率19%、2030年には6兆円超に拡大
あらゆる電子機器の加速度的な進化により、プリンテッドエレクトロニクス市場は今後も大きく成長することが見込まれています。
パノラマデータインサイト社のレポートによると、2021年の世界のプリンテッドエレクトロニクスの市場規模は1兆3,800億円でした。2022年から2030年にかけての年平均成長率は19%で、2030年には6兆6,300億円に達すると予測されています。
※1ドル=140円で換算
プリンテッドエレクトロニクスの拡大を背景に、導電性インク市場の伸びも期待されています。導電性インクのうち、Report Ocean社の調査では現在の世界の銀ペースト市場は1兆円超と推計されています。
C-INKは、プリンテッドエレクトロニクスの劇的な生産効率化と省資源化に寄与する銀ナノインクで、現在主流である銀ペースト市場を代替していくことを目指します。
事業戦略・マイルストーン試作用プリンターとの販売でインクの認知度を拡大、生産設備の増強も
銀ペーストなどの従来素材を銀ナノインクに代替しようとすると、電子回路基板製造者や電子機器メーカー側は新たな印刷機の導入や、印刷工程のすり合わせが必要です。これらの要因がボトルネックとなり、銀ナノインクはこれまで本格的な量産に用いられてきませんでした。
電子機器メーカー側の導入ハードルを下げるため、C-INKでは現在の印刷機メーカー3社との連携を進めると同時に、自社で試作用プリンターの開発を進めています。開発中の試作用プリンターは2023年に販売予定で、厚みの異なる基板にも対応できるほか、販売価格は従来機(約1,000万円)よりも大幅に安価な200万円とする予定です。
今回の株式投資型クラウドファンディングで調達した資金は、主に新型の試作用プリンターや試作用インクの開発費に充当します。
これら試作機でインクジェット印刷の優位性に関する認知を高め、導入実績を積み上げます。2027年7月期からは、量産プリンターの販売を機にさらなる事業拡大を目指します。
銀ナノインクの製造体制の強化も行います。2026年〜2028年7月期にかけて、生産設備の拡充を行います。2028年7月期には新たな工場を建設する予定です。
※上記は、導電性金属インクおよびプリンターの売上計画であり、ナノ顔料・導電性カーボンインクの売上は含みません
C-INKのインクは原価率が低いため、売り上げが伸長すれば収益が確保しやすくなり、2025年7月期には黒字転換し、以降、黒字幅が拡大する事業計画となっています。
さらに今後C-INKでは更なる事業拡大に向けて、ナノ粒子の合成技術や生産管理のノウハウを活かして、ナノ顔料や導電性カーボンインクなどの新たな機能性材料の開発を行うことを視野に入れています。
- 2023年
・試作用プリンターの販売
- 2026年
・生産設備の強化
- 2027年
・品質管理設備の強化
・量産用プリンターの販売 - 2028年
・新工場建設による増産体制の整備
- 202X年
・株式公開(IPO)
メンバーナノ材料に精通したプロフェッショナルチーム。約20年の研究で育て上げた技術で導電性インク市場の変革に挑む
金原 正幸
塚田 龍
メディア掲載実績
- 銀ナノインク 目詰まりしにくく シーインク、印刷品質安定化 - 山陽新聞
- 「C-INK(岡山県総社市)」「ナノインク」で世界に挑戦 - J-Net21
- 特集:インクからエレクトロニクス 第1部 市場動向 - 日経エレクトロニクス
- 特集:インクからエレクトロニクス 第2部 技術動向 - 日経エレクトロニクス
受賞歴・助成金採択歴
- プリンタブルエレクトロニクス展2015 独創性部門賞
- IMID 2016 (The 16th International Meeting on Information Display) 韓国情報ディスプレイ学会(KIDS)金賞
- 第23回 中国地域ニュービジネス大賞 奨励賞
- 公益社団法人 山陽技術振興会 村川技術奨励賞
- 在日ドイツ商工会議所 ドイツ・イノベーションチャレンジ 優勝
- 平成23年度 先導的産業技術創出事業(若手研究グラント) - NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)※
- 平成25年度 戦略的基盤技術高度化支援事業 - 中小企業庁
- 平成29年度 「エネルギー・環境新技術先導プログラム」 - NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)※
※共同研究者として
なぜ私がこの事業をやるのか
既存株主C-INKの株主
C-INKは以下のベンチャーキャピタルなどから出資を受けています。
【ベンチャーキャピタル】
・MBC Shisaku1号投資事業有限責任組合
・JSR Active Innovation Fund合同会社
・TVC2号投資事業有限責任組合
他事業会社、個人株主など
応援コメントC-INKへの応援コメント
木口 浩史
必要な材料を必要な分だけ化学合成で作っていくC-INKの製法は、エシカルな環境価値が直接的にビジネスになる今の世の中にミートしています。大量生産大量消費だった化学工業を持続可能な生産プロセスに変革していける点でも、可能性を感じます。
またC-INKが持つ金属の表面処理技術は、インクジェット用の銀ナノインクだけにとどまらず、コーティング剤や電池の電極など、さまざまな分野に応用が効く技術であり、今後の可能性は計り知れません。
日本の化学産業を根幹から変えようとしている、金原さん率いるC-INKをぜひ応援していただきたいです。
ブレークスルーパートナーズ株式会社 マネージングディレクター
株式会社Jin-Magic 代表取締役
森廣 弘司
C-INKの皆さんが生み出したイノベーションは、その中でも電気を通す材料をインクジェットプリンターで印刷できるインクとして、工業生産に適応できる品質・信頼性とスケールで作るオンリーワンの技術です。世界のトップ企業にそう評価され期待されています。
このような新材料が重要産業の大量生産プロセスの要になるには地道な努力と時間がかかりますが、日本に国際競争力の高いマテリアルのエコシステムがあるからこそ、その早期実現に期待できます。日本の明日のために必ず成功してほしいとの想いで日夜応援しています。
▼経歴
1983年コーネル大学工学修士課程修了。富士通株式会社入社。半導体部門にて海外の顧客・提携先とのビジネス開拓を担当。1997年米国シリコンバレーのベンチャーキャピタルTechfarm社にパートナーとして入社。ハンズオンで上場・成功買収まで支援したベンチャー多数。
ブレークスルーパートナーズ株式会社 マネージングディレクター
赤羽 雄二
比較して強く感じるC-INKの強みは、金原社長の独創性と、メンバーのやり抜く力、推進力です。手探りでのナノインク量産設備の開発、資金が枯渇しかけたことなど、数々の困難がありましたが、全社一丸となって常に壁を打破してきました。
独自技術で分散体を作る技術はユニークであり、しかも時代の要求にのっとったものです。 プリント基板の素材の代替や電池の電極など、今まさにブレークスルー技術が必要とされるプリンテッドエレクトロニクスの分野にC-INKが貢献します。
日本から世界に出るベンチャーの有力候補として、C-INKをぜひ応援いただければと思います。
▼経歴
1978年東京大学産業機械工学科、1985年スタンフォード大学大学院修士。小松製作所での8年を経て、マッキンゼーのパートナーとして14年、ビジョン・戦略立案、経営改革、組織改革、人事制度導入、幹部育成、新事業推進などに取り組む。2002年以降、ベンチャーの共同創業・経営支援をミッションとするブレークスルーパートナーズを共同創業し、今日にいたる。
事業のリスクC-INKの事業に関するリスク
C-INKの事業に関わる主要なリスクには、次の2点が挙げられます。
1点目は、顧客獲得に関するリスクです。
印刷方法変更のメリットが電子回路基板製造者さらには配線板を用いて最終製品を生産する電子機器メーカーに浸透しない場合、スクリーン印刷からインクジェット印刷への切り替えが進まず、C-INKの製品の採用が一部の特殊用途のみに留まってしまう、または本格採用が遅れてしまう可能性があります。
2点目は、競合に関するリスクです。
科学技術の進歩により、競合となる導電性インクが開発された場合、またはこれらを代替する技術が登場した場合、C-INKの製品の市場競争力が後退してしまう可能性があります。
リスクの詳細については、ページ上部の「企業のリスク」タブよりご確認ください。
事業ピッチ・質疑応答投資家の皆さまからのご質問にお答えしました
15号案件「C-INK」代表取締役の金原氏による事業ピッチ動画と、C-INKへ頂いたご質問への回答を掲載しました。
※事業概要説明および質疑応答はC-INK社の事業計画に基づくものであり、その内容については保証されるものではありません。
▼事業概要説明
Q: 「導電性ナノインク」がセールスポイントなのか、「ナノインク+インクジェット」でコスト削減がポイントなのか、どちらなのでしょうか?
金原代表の回答(クリックで開きます)
顧客(電子回路基板製造者や電子機器メーカー)が求めているものは自動生産による生産性アップとコストダウンです。その際に重要なのがインクジェット印刷で、弊社ナノインクはその際に安定印刷を担保する重要な武器となります。よって、最大のポイントはやはり弊社ナノインクの卓越したインクジェット適正です。
Q: 今、半導体が不足になってますが、御社は半導体関連に入りますか? 御社の技術で半導体不足を解決できるのでしょうか。
金原代表の回答(クリックで開きます)
弊社ナノインクは、半導体そのものを製造するプロセスでは使用されません。ですので、半導体自体の供給には関与しません。ですが、後工程での実装過程で、金ワイヤーボンディング代替として検討が進むなど、実装プロセスでの生産性アップは十分可能です。
※ワイヤーボンディング:トランジスタ・集積回路(IC)の電極と、プリント基板・半導体パッケージの電極を接続する工程
Q: プリンターも自社で生産となると、今後のメンテナンスや部品の調達等も、貴社で行う想定でしょうか。 その準備や部品調達、製品品質安定の知見はありますか?
金原代表の回答(クリックで開きます)
プリンターは弊社内では製造を行わない、ファブレスで対応します。試作用プリンターは海外製造でコストダウンします。メンテナンスが必要な部品はインクタンクやインクジェットヘッド、配管パーツ等で限られており、これらはパーツ送付のみ行い、顧客自身で対応頂きます。これらパーツは自社で在庫します。本体の不具合が生じた場合には、交換で対応します。量産機は日本国内のパートナーでの製造を計画しています。メンテナンスはパートナーの知見にて対応可能です。
Q: IPOまで何年かかるとみていますか? また、M&Aも想定されていますか?
金原代表の回答(クリックで開きます)
6-7年で時価総額100億円程度でのIPOを目指しています。M&Aに関しても株主にメリットがあるなら随時検討します。
Q: 格安の試作用プリンタをセット販売することでインクジェットの市場浸透を図るとのことですが、この価格優位性は何に由来するものでしょうか。また、協業先の印刷機メーカーと競合する可能性については、いかがお考えでしょうか。
金原代表の回答(クリックで開きます)
プリンターはファブレスで展開します。試作機と量産機を分けて考える必要があります。試作機は海外製造とすることで、十分な性能を持ちながらも、これまでにないレベルでのコストメリットを提供できます。量産機は国内のパートナーで製造を行いますので、こちらは競合ではなく、国内パートナーにとってもメリットがあると考えられます。
Q: 国内外の展示会に出展したことがありますか?その時の反応はどうでしたか?
金原代表の回答(クリックで開きます)
米国、欧州、深センでの展示会出展を行いました。毎回反響があり、特に深センでは、専属で商社をさせて欲しい、自社工場で生産をさせて欲しい等の熱烈なオファーがありました。
Q: ご紹介された2社(航空機、液晶パネル)以外で引き合いがありますか?
金原代表の回答(クリックで開きます)
量産向けとしては、これまでにもあった電子回路への応用に加えて、スマホ等に搭載される高周波デバイスへの応用や、半導体実装過程での利用など、いくつか評価が進んでいます。研究用では、国内外を問わず、企業だけでなく実績のある研究機関から多数の引き合いがあり、リピーターもいらっしゃいます。
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