【第2回】タンパク質合成の特許技術で世界に進出!食と医療の課題解決に挑む「NUProtein」
エンジェル税制 B適用
NUProtein株式会社
バイオ
- ポイント
- 2040年には70兆円規模に成長が見込まれる培養肉の産業化を支えるプラットフォームを目指す
- パナソニックで100を超える知財開発とCVCに従事してきた起業家が名古屋大学発の技術を世界に展開
- 複数の上場企業と共同研究を開始、海外の培養肉等メーカー複数社と本格導入に向けて商談中
- こんな方に応援してほしい
- 食や医療など幅広い産業の発展につながるタンパク質合成という技術領域に可能性を感じる方
- 日本発の独自技術で世界のバイオの産業革命に挑むベンチャーの挑戦を見守りたい方
- タンパク質合成を通じて食糧問題や医療格差の解決に貢献する取組みに社会的意義を感じていただける方
- 詳細
- 事業者情報
- 目次
- 事業概要
- 前回募集からの進捗
- 今回募集の目的と見通し
- なぜやるのか
- 市場の成長性・外部環境
- ソリューション
- 事業戦略・マイルストーン
- メンバー
- 応援コメント
- エンジェル税制
- 事業のリスク
- 事業ピッチ・質問回答
NUProteinは、人工タンパク質を食と医療の両分野に向けて、安く、早く、安全に大量生産する独自技術を持つバイオベンチャーです。
タンパク質は生命活動の根幹をなす、非常に重要な物質である一方、化学的・工業的に合成できるものではありません。NUProteinはバイオテクノロジーによってタンパク質をより安く、手軽に合成できる技術を通じ、培養肉、創薬、バイオマス・エネルギーなど、幅広い産業の発展に寄与します。
前回募集からの進捗国内外の複数の培養肉・培養魚肉メーカーとの商談を開始
NUProteinは2021年10月にイークラウドで343名の個人投資家から5,738万円の資金調達を行い、その資金は海外向け事業開発や、コア技術である小麦胚芽由来のタンパク質合成技術の改良に活用しました。
資金調達から現在に至るまでに、複数の国外培養肉・培養魚肉メーカーと本格的な取引に向けた商談を開始するとともに、複数の大手メーカーとの共同開発を行っています。また複数の助成金に採択されるほか、国内外の複数の賞を受賞するなど、海外展開も進めています。
NUProteinは、主に3つの事業を行っています。
・タンパク質関連の研究を行う研究機関に向け、タンパク質の合成試薬を販売する「試薬販売事業」
・国内外の培養肉・培養魚肉メーカーに向け、人工タンパク質の合成に必要な成長因子を提供する「成長因子販売事業」
・食品・医療メーカーに向け、成長因子を大量に合成するための原料の販売・知財供与を行う「原料販売事業」
2021年に目標としていた売上に対しては、特にアメリカのFDA(米国食品医薬品局)において、培養肉や培養魚肉の市販前認可が想定よりも長くかかり、研究開発フェーズから移行しなかった等の理由から未達となっています。一方、前年比では135%の売上増加となりました。
それぞれの事業概況は、以下のとおりです。
試薬販売事業について(クリックで開きます)
「試薬販売事業」は、試薬商社を通じて研究機関に向け、研究用の試薬を販売する事業です。コロナ禍の影響から回復した海外売上が牽引し、全体では前年比130%の売上高となりました。
前回募集以降の海外向けの営業活動等の成果もあり、将来の導入に向けた性能評価のため購入されているものとNUProteinは推察しています。
成長因子販売事業について(クリックで開きます)
「成長因子販売事業」は、培養肉・培養魚肉メーカーに向けて成長因子を販売する事業です。海外培養肉メーカーとの共同研究や、実証に向けた売上が当初の目標を下回りましたが、国内の受託による売上は計画どおりに推移し、全体で前年比137%の売上となりました。
原料販売事業について(クリックで開きます)
「原料販売事業」は、培養肉・培養魚肉メーカーをはじめとした食品メーカーや医療メーカーが自社工場で更に安価に成長因子を大量に合成するための原料となる小麦胚芽抽出液を販売する事業です。小麦胚芽抽出液を基にした最終製品に対してライセンス収益を得ます。
培養肉・培養魚肉メーカーの多くは、研究開発を経て、数千リットル規模のバイオリアクター(培養槽)における大量生産を計画しています。NUProteinはこれらの企業に対し、タンパク質合成原料として小麦胚芽抽出液の提供を目指しています。
2021年にNUProteinは特に培養肉メーカーの集中する米国における需要を見越し、バイオインキュベーション施設との契約を締結し、現地で調達した小麦を用いた抽出液の生産技術を確保しました。一方で、各社のFDAが予測よりも長く研究開発フェーズから移行しなかったため、予想していたような小麦胚芽抽出液の大量販売には至りませんでした。そのため当初計画を見直し、2022年12月に当該バイオインキュベーション施設の契約を解約し、一旦閉鎖する予定ですが、計画を見直したうえで再度挑戦する意向です。
一方、進捗としては、国内のプラントメーカーと共同で小麦胚芽の選別装置の試作機を完成させました。これは小麦胚芽抽出液を用いたタンパク質の合成量が向上するもので、今後の大量製造と品質確保に寄与するとNUProteinは考えています。将来的には製粉メーカー等へのライセンス供与・機器納入を目標としています。
★前回の募集ページはこちら
今回募集の目的と見通し培養肉メーカーの需要に応える、イネ由来タンパク質合成事業を開始
今回のイークラウドにおける資金調達の目的は、遺伝子組換えイネ由来のタンパク質合成における技術基盤の確立です。 NUProteinは現在、小麦胚芽の抽出液を用いて、極めて短い期間でタンパク質合成に必要な「成長因子」と呼ばれるタンパク質の合成技術を確立しています。
各メーカーとの商談の中で、小麦胚芽由来の合成技術は培養魚肉の培養には適していますが、培養肉においては より高濃度の機能性タンパク質が求められることがわかってきました。これは、培養肉の培養温度(約40℃)が培養魚肉(約20℃)と比較して高く、培養中に成長因子が分解されやすいためです。
培養において成長因子は、生物種に対応したものを利用する必要があります。例えばマグロ、鮭、ウナギなど、種類が無数にある魚介類に比べ、畜肉においてはウシ、ブタなど種類は少ないものの、前述のとおり魚よりも高濃度の機能性タンパク質が大量に必要です。
そこで、現在確立している小麦由来の合成技術を培養魚肉メーカーに向けて多品種・少量で提供する一方、培養肉向けには、より量産が容易な合成技術として遺伝子組換えイネを用いた技術を確立することで、両輪でタンパク質合成の産業化を支えることを目指します。
計画と比べて売上の立ち上がりは遅れているものの、複数の培養肉等メーカーとの商談が進んでいることや、培養肉メーカーとの取引の規模が拡大する可能性があることなどを勘案し、前回ラウンド(約5.1億円)から120%程度のアップラウンド(約6.2億円)となる調達前時価総額で、2度目の株式投資型クラウドファンディングによる資金調達を行います。
なぜやるのか未来の食品産業や再生医療のカギとなる「タンパク質合成技術」をもっと安く、手軽に
タンパク質は生物の生命活動を担う、重要な物質です。人間の身体をつくっている約60兆個の細胞の主成分で、筋肉や臓器、肌、髪、爪など身体のあらゆる部分を構成しています。また、身体を動かすエネルギー源でもあり、酵素やホルモンなど体の機能を調節する大切な役割も果たしています。
近年、食品や医療といった様々な分野で、バイオテクノロジー(生物学の技術)によって人工タンパク質を通じて私たちの生活を豊かにする研究が進み、投資が活発に行われています。
食品産業は、タンパク質合成が急速に進歩する市場の一つです。
爆発的な人口増加を背景に食肉の消費量増大が想定され、2030年には8億4千万人が十分な食料を得られなくなる食糧危機が予測されています。
※国連 World Food Programより
食糧、とくにタンパク質の供給源を増やす手段として注目を集めるのが、培養肉の開発です。培養肉とは、ウシやブタ、鶏などの細胞を体の外に取り出して培養液で細胞を増やし、肉を製造する手法です。肉以外にも、魚やエビなどの培養技術も発達しつつあります。
家畜を飼育するための水や飼料、農地の利用量も抑えることができ、従来の畜産肉に比べて環境負荷が98%削減できるとの試算もあります。米国、シンガポール、欧州など、世界中で培養肉の研究開発が進められ、各メーカーが市場への早期投入を目指しています。
※Energy and protein feed-to-food conversion efficiencies in the US and potential food security gains from dietary changesおよび、Environmental Impacts of Cultured Meat Productionより
医療においては、再生医療の分野でタンパク質合成技術の活用が期待されます。細胞を培養し、病気や事故で損なわれた臓器などの機能を回復するといった用途です。
目や神経の難病、心不全といった分野での研究や臨床試験が進み、近年では患者から採取した細胞を培養し、3Dプリンターで移植用の臓器を製造するなどの研究も行われています。手術や投薬といった従来の手法で治療困難だった疾患を治療でき、社会保障費の抑制につながる可能性も秘めています。
人工タンパク質の合成の過程には、細胞を作る特殊な細胞である幹細胞と、細胞の増殖や分化を促進する成長因子という特殊なタンパク質が必要です。
しかしながら従来、製造コストの90%以上を成長因子のコストが占めると言われるほど、成長因子は非常に高額なものでした。例えばTGFβと呼ばれる成長因子は1グラムあたり2,500万円にもなる場合もあり、製造コストと量産化技術が、タンパク質合成の産業化におけるボトルネックとなっていました。
この課題に応えるのが、NUProteinの技術です。
NUProteinは、これまでタンパク質合成のボトルネックとなっていた成長因子を、圧倒的な効率で安価に生産する独自技術を有しています。この技術をコアに、有用タンパク質の低コスト化及び安定供給により、代替タンパク質市場の拡大、タンパク質危機の回避、持続性のある生産と消費に寄与していく考えです。
市場の成長性・外部環境2040年には70兆円規模にも成長が見込まれる培養肉の産業化を支えるプラットフォームを目指す
世界的な人口爆発を背景に、培養肉市場は大きく成長し続けることが予想されています。
世界の食肉市場は、今後約20年でおよそ200兆円に拡大するとみられます。中でも培養肉は2040年には約70兆円への成長が見込まれる注目の領域で、培養肉を含めた代替肉は伝統的な畜産業との市場シェアを逆転し、6割に上るとの予測もあります。
※出所:AT Kearney
培養魚肉も同様に、世界的な消費量の増加や水産資源の乱獲問題などを背景に注目が高まっており、すでに米国で高級レストランなどでの提供に向けた生産技術の研究が活発になっています。
こうしたフードテック分野には国内外の大企業やスタートアップが相次いで参入しており、アメリカでは培養肉メーカーが2020年の1年間だけで累計約3,400億円(31億米ドル)もの投資を受けるなど、期待と注目の集まる技術領域となっています。
ソリューションタンパク質合成量を効率的に増大させる独自技術
NUProteinの独自技術は、DNAからRNAを抽出する鋳型の作成技術を活用し、成長因子を合成するというものです。これを支えるのが、タンパク質合成量を効率よく増大させるための特許技術群です。
少量多品種のタンパク質合成をわずか1日で可能にする小麦胚芽由来の合成技術
NUProteinはすでに、独自の小麦胚芽抽出液を用いた成長因子の合成技術を確立しています。小麦胚芽由来の合成技術において、成長因子を合成するまでのプロセスは以下のようになります。
特徴の一つは合成期間の短さです。遺伝子の増幅をPCR法で行うことで、操作がシンプルで合成期間が短く、合成までわずか1日程度で済む特徴があります。これにより合成のリードタイムを短縮し、極めて効率的な生産を行うことが可能です。
※PCR法: 「ポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction)」の略で、生物の遺伝情報をもつDNAを複製して増幅させる方法。遺伝子の研究やDNA鑑定など、幅広い分野で活用される
また、製粉所の副産物である小麦胚芽の搾り汁を利用するため、原料・管理コストを非常に安く抑えることができます。
さらに、独自配合の小麦胚芽抽出液と組み合わせることで、成長因子の活性を高め、使用量を10分の1にまで抑えられる点も優位性となっています。
※10分の1:NUProtein調べ
これらの特徴から、多くの品種に少量ずつ対応する必要のある培養魚肉に向いているとNUProteinは考えています。実際に現在、複数の培養魚肉メーカーと商談を進めており、実証実験では成長因子製造コストにおいて、当初目標としていた3,000分の1に近い結果を実現しています。
大量合成に向けたイネ由来のタンパク質合成技術
NUProteinが新たに取り組むのが、背丈が20cm程度と短く、大きくならない性質を持つ矮性(わいせい)イネを利用して、ウシやブタなどの畜肉の培養に必要なタンパク質を大量製造する技術です。
これは遺伝子組換え技術によって、米粒の白い胚乳部分に目的のタンパク質を蓄積できるイネの株を開発するというものです。イネの利用によって、培養肉の培養に必要なインスリン、トランスフェリンといった高濃度の機能性タンパク質の大量合成が可能だと、NUProtein社は考えています。
開発にあたっては、複数の大学を含めた産学連携で行う計画です。
奈良先端科学技術大学院大学は、mRNAを安定化することで、目的のタンパク質の発現量を190倍以上に増大させる技術を有しています。また、京都府立大学は異生物のタンパク質をイネの胚乳に蓄積させる技術を有しています。
プリベンテック社は農林水産省傘下の研究機関「独立行政法人農業生物資源研究所」(農研機構)からのスピンオフベンチャーで、農研機構の特許技術(特許第4019147号)をベースに設立されています。
これら3者と、タンパク質の高発現技術を有するNUProteinの連携で、早期の技術確立を目指しています。
この技術の最大の優位性は、目的とするタンパク質を小面積で安く、大量に製造可能である点です。矮性イネは草丈が低いため大量に肥料を与えても倒れないという性質があり、また丈の短さを活かした多段の水耕栽培が可能です。
イネの栽培にあたっては海上輸送に利用される40フィートコンテナを利用した人工光型の植物工場を使う予定です。
コンテナ1台分のスペースから、3キログラムの成長因子が製造できるとNUProteinは試算しており、これは現在の成長因子の販売価格に換算すると、750億円分の価値に相当します。
タンパク質を蓄積できるイネの生育には4ヶ月程度が必要で、この期間が最終製品(培養肉向け成長因子)までに必要なリードタイムとなります。
※1年に3回の収穫を行う場合
わずか1日で合成が完了する小麦由来の合成技術と比較すればリードタイムは長くなるものの、一度に大量生産が可能で、培養肉に必要なタンパク質の製造コストは小麦よりもさらに低くなると推測しています。 優れた製造効率の要因として、イネは温暖な環境下ならば1年に複数回の収穫が行える「多期作」が可能な植物であることが挙げられます。
※多期作:同じ土地で1年のうち複数回にわたり収穫を行うこと。イネは亜熱帯での多期作が可能で、実際に沖縄地方などでは2期作や3期作が行われている
国外には、遺伝子組換えのオオムギを利用して成長因子の製造を行う企業がありますが、1期作のオオムギと比較してイネは3期作が可能で、さらに収穫量も勘案すれば、計算上は面積あたり8倍程度と非常に効率のよい生産が可能となります。
以上のように、従来の小麦由来のタンパク質合成技術に加え、合成期間は数ヶ月と長くなるものの大量合成に圧倒的な優位性をもつイネ由来の合成技術を確立することで、両輪でより広く、培養肉・培養魚肉市場を支えていくことを目指します。
事業戦略・マイルストーン海外培養肉・培養魚肉メーカーへの事業開発を強化
先述のとおりNUProteinは、以下の事業を行う計画です。
・タンパク質関連の研究を行う研究機関に向け、タンパク質の合成試薬を販売する「試薬販売事業」
・国内外の培養肉・培養魚肉メーカーに向け、人工タンパク質の合成に必要な成長因子を提供する「成長因子販売事業」
・食品・医療メーカーに向け、成長因子を大量に合成するための原料の販売・知財供与を行う「原料販売事業」
また、公的助成金も開発資金に充当しています。2021年7月期には経済産業省のサポイン(戦略的基盤技術高度化支援事業)補助金(約2,100万円)を受領しています。また、2023年7月期は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の補助金(約2,000万円)に採択されています。
これまでNUProteinは小麦胚芽抽出物を用いたタンパク質製造技術の拡大を進めており、大手メーカーとの共同研究を主体に更に継続発展させていきます。2023年からはイネを用いたタンパク質合成技術の確立を進め、より大量のタンパク質をより安価に製造する手段の開発を目指します。
今回の募集でご支援いただく資金は、イネ栽培用の植物工場の設置に利用するほか、自社の特許網拡大のための投資に活用する計画です。
まずはイネの種を開発し、その後、イネ由来の成長因子の販売や、種もみのライセンス販売により収益を得る計画です。また、植物工場施設のリースなどが収益源となる可能性もあります。
※種もみ:発芽のもととする、もみ状態の種
今後は海外培養肉・培養魚肉メーカーとの契約数をKPIとし、海外メーカーに対する露出と売上に向けた事業開発を強化します。まずは培養肉がすでに製造承認されているシンガポールを優先し、政府支援の厚いヨーロッパ、アメリカ等に対して事業開発活動を広く行う計画です。
2023年7月期は、成長因子の共同開発費用収入の増加、NEDOの補助金により、赤字幅縮小を見込んでいます。また、海外の培養肉・培養魚肉メーカー向けに、成長因子やその原料となる小麦胚芽抽出液の販売開始を計画しています。
2024年7月期以降は、培養魚肉メーカーに向けた成長因子の売上が増加し、黒字転換する計画となっています。
NUProteinは、会社売却(M&A)によるイグジットを目指しています。
欧米をはじめとした海外のフードテックのビジネスシーンにおいては、大企業の経営資源とスタートアップの最先端技術を相互に活用し、協業する事例が多く見られます。
「タンパク質合成」というテーマにおいても、製品量産やサービス拡大等が求められるタイミングで巨大な設備投資が必要になるとNUProteinは認識しており、適切にM&Aを行うことで大手の経営資源を活用しながら、世界規模の社会課題を解決していく考えです。
売却先としては、穀物メーカー、製粉メーカー、食品メーカーなどを想定しています。
- 2023年
・シンガポールの培養魚肉メーカーへ成長因子の提供を開始
・遺伝子組換えイネの種を開発
・小麦胚芽技術の改良・スケールアップ - 2024年
・イネによるタンパク質合成の試験的な生産開始
・小麦由来とイネ由来のタンパク質サンプル出荷 - 2025年
・植物工場における生産開始
- 202X年
・海外培養肉メーカー各社、国内大手食品メーカーへ、小麦胚芽抽出液およびイネ由来タンパク質抽出液の定期納入開始
・遺伝子組換えイネ植物工場の拡大
・M&Aイグジット
メンバーパナソニックで100を超える知財の開発とCVC(コーポーレートベンチャーキャピタル)を経験してきた起業家
南 賢尚
多田 裕昭
受賞歴・補助金助成金採択歴
- 2015年12月 NEDO TCP 最優秀賞
- 2016年 3月 米国Japanese Pitch Night 最優秀賞
- 2016年12月 NEDO SUI事業に採択
- 2017年 9月 リバネス社 バイオテックグランプリ ロート賞
- 2017年10月 EY アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー2017 「アントレプレナー賞」
- 2017年11月 中部ビジネス協議会「CNBベンチャー大賞 名古屋商工会議所会頭賞」
- 2018年 3月 神戸市・BeyondNextVenture共催 KobeXBraveにてBRAVE賞、神戸市賞、メルク賞
- 2019年 6月 経済産業省 戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)に採択
- 2020年 4月 りそな中小企業振興財団、日刊工業新聞共催「第32回中小企業優秀新技術・新製品賞」優秀賞
- 2020年 8月 深圳市政府・精華大学・サムライインキュベート共催 第一回深セン先端技術ピッチコンテストで特別賞
- 2020年10月 三菱総合研究所主催のアクセラレーションプログラムに採択。デモデーにて、三菱総研賞 未来デザイン賞
- 2021年4月 ピッチコンテストUnicorn Battle ASIA で準優勝
- 2021年6月 Hello Tomorrow Japan Challenge 入賞
- 2021年9月 特許庁主催 知財アクセラレーションプログラムIPAS2021に採択
- 2021年11月 Hello Tomorrow APAC Challengeにて優勝
- 2021年12月 Hello Tomorrow Global Challengeにて”工業バイオ・および新素材”部門優勝
- 2022年1月 日本ロレアル「グリーンサイエンス2021」優秀賞
- 2022年3月 ESG TECH BATTLE powered by NEDO にてNEDO賞
- 2022年6月 NEDO「研究開発型スタートアップ支援事業/地域に眠る技術シーズやエネルギー・環境分野の技術シーズ等を活用したスタートアップの事業化促進事業」
- 2022年7月 兵庫県・神戸市・UNOPS共催 アクセラレーションプログラム「SDGs CHALLENGE」採択
メディア掲載・出版・講演実績など
- 「NUプロテイン、たんぱく質を安価に生産」 - 日本経済新聞
- 日本の未来企業-次の100年を作る(112) NUProtein社長 南賢尚氏- 日刊工業新聞
- 「『医都』神戸 次なる躍進 スタートアップ起爆剤」 - 日本経済新聞
- 「NUプロテイン、たんぱく質合成キット 産業用途で拡販」 - 日刊工業新聞
- 「小麦胚芽抽出液から、早く・安価にタンパク質を合成」 - 日経クロステック
- 「4.5万円の「培養肉ビーフパティ」を15円に? 名大発ベンチャーNUProteinの挑戦」 - Forbes
- 未来の市場をつくる100社 2022年版- 日経クロストレンド
- ハロー・トゥモロー・ジャパン、”ディープテック”支援強化 日本の出遅れ懸念 - 日刊工業新聞
- 【ディープテックを追え】植物由来の材料で培養肉の価格低減 #85 NUプロティン -ニュースイッチ
- 「NUProtein, 無細胞タンパク質合成技術で培養肉市場へ進出」 - 日経バイオテク
- 「培養肉の最先端!! 安価で安全なタンパク質・細胞増殖因子合成技術」 - 月刊コロンブス8月号, p8
- 「代替プロテインによる食品素材開発」竹内昌治監修、NTS社 分担執筆
- 「植物バイオテクノロジーでめざすSDGs」小泉望・加藤晃編著、化学同人社 分担執筆
- 「無細胞タンパク質合成系 -SDGs実現の生産財として-」日本生物工学会大会講演要旨集、vol71, p235, 2019年
なぜ私がこの事業をやるのか
応援コメントNUProteinへの応援コメント
宮部 義幸
バイオサイエンス領域 バイオエンジニアリング研究室
加藤 晃
NUProtein社とは、現在NEDO補助事業においての共同研究で食品グレードのタンパク質合成系を共同で開発していますが、更に新しい取り組みとして、培養肉向けの遺伝子組換イネを用いたタンパク質合成系の開発を行う予定です。
小麦と翻訳機構が同じイネ由来タンパク質合成系で、更なる社会課題解決に貢献できるものと大いに期待しております。 皆様のNUProtein社へのご支援よろしくお願いいたします。
日本獣医生命科学大学名誉教授
元株式会社ゾイジーンタンパク合成部長
渋井 達郎
藤原 義博
Bianca Le 博士
“I am a cell biologist and the Executive Director of Cellular Agriculture Australia, a nonprofit organisation developing the emerging cellular agriculture research field and industry in Australia. A company like NUProtein with Masataka's leadership would greatly contribute to the alternative protein ecosystem in Australia.”
▼Cellular Agriculture Australiaについて
オーストラリアの細胞農業分野全体で研究、コラボレーション、イノベーションを促進するNPO
Justin Kolbeck(左)、Aryé Elfenbein(右)
“Protein growth factors represent some of the most specialized and expensive components of cell culture media. Using wheat germ for protein synthesis, NUProtein's innovative and versatile approach has the potential to address the issues of both cost and species specificity in the field of cellular agriculture.”
▼Wildtype社について
カリフォルニア州サンフランシスコを拠点とするスタートアップ。細胞培養技術を使用して天然の魚と同じ栄養価・美味しさをもったサーモンの生産を行い、海の豊かさを守りながら食の安全、健康問題などの課題に取り組む。2021年7月、賞金総額16億円のXPRIZE “Feed The Next Billion” セミファイナリスト企業に選出。
エンジェル税制所得税の優遇措置Bの対象です
対象企業へ投資した年の株式譲渡益から対象企業への投資金額全額を控除できる「優遇措置B」の対象です。
エンジェル税制や申請手続きの流れについての詳細は「エンジェル税制について」をご確認ください。
事業のリスクNUProteinの事業に関するリスク
NUProteinの事業に関わる主要なリスクには、次の3点が挙げられます。
1点目は、研究開発の遅延に関するリスクです。
研究開発は計画どおりに進行するとは限らず、その途上において、承認を受けるために期待した有効性を確認できなかったり、安全性に関する許容できない問題が生じたりした場合には、研究開発を途中で断念するリスクがあります。承認を受けるために追加の試験が必要となる結果、多額の追加費用が発生する可能性など上市に至るまでの不確実性は高く、さらに、上市に至ったとしても、投下した費用に見合った売上を達成できない可能性があります。
2点目は、培養肉等の法整備に関わるリスクです。
現時点では培養肉等の法律上の位置づけや安全基準など、ルール作りを議論する取組みは始まっているものの、基準が未整備の状況です。法令等の変更や新設により何らかの制限を受ける場合や、法令等への対応が遅れた場合、業績及び財務内容に影響を及ぼす可能性があります。
3点目は、培養肉等の市場浸透におけるリスクです。
培養肉等は新しい技術であるため、心理的抵抗感の払拭も必要です。食品としての安全性を含めた消費者側の心理的抵抗感が拭えない場合、市場浸透に時間がかかり、業績および財務内容に影響を及ぼす可能性があります。
リスクの詳細については、ページ上部の「企業のリスク」タブよりご確認ください。
事業ピッチ・質問回答投資家の皆さまからのご質問にお答えしました
17号案件「NUProtein」代表取締役の南氏による事業ピッチ動画と、頂いたご質問への回答を掲載しました。
※事業概要説明および質疑応答はNUProtein社によるものであり、内容はあくまで現時点での計画に基づいたものです。
▼事業概要説明
Q: 貴社の戦略として、サプリメントにおけるプロテインの分野でも事業展開を考えられていますでしょうか?
また、貴社の技術で合成されるプロテインは、いわゆるアミノ酸のバランス構成においてプロテインスコア100とする事は可能でしょうか?
南代表の回答(クリックで開きます)
当社技術は機能性タンパク質を合成することに特化しております。合成方法も異なるため、当面当社事業としては、サプリメント用途のホエイプロテイン、ソイプロテイン等を合成することは今のところ考えておりません。一方、今後極めて高付加価値のサプリメント用途タンパク質が見いだされた場合参入を検討したいと思います。
Q: 「小麦胚芽由来の合成技術は培養魚肉の培養には適していますが、培養肉においては より高濃度の機能性タンパク質が求められることがわかってきました。培養肉においては より高濃度の機能性タンパク質が求められることがわかってきました。これは、培養肉の培養温度(約40℃)が培養魚肉(約20℃)と比較して高く、培養中に成長因子が分解されやすいためです。」
「培養肉の細胞培養は、高い温度で行われるため、成長因子の分解速度が早く、当初の想定と比べて大量(6000倍)の成長因子が必要」
とありますが、前回の募集時(資金調達)の段階では上記のことは想定できなかったのでしょうか?事前に少し調査(ヒアリング等)を行えば分かりそうなものじゃないかなと素人目には感じたのですが、どうでしょうか?
南代表の回答(クリックで開きます)
培養肉、培養魚肉のベンチャーからお話しを聞き、低濃度で利用する成長因子と、熱で分解しないように変異遺伝子を入れた熱耐性成長因子等への御要望などがあり、これらを合成しサンプルをお出しして、細胞増殖活性がすべてから見られたことで満足しておりました。ご指摘のように、ヒアリングの対象が、数リットルから数百リットルの培養槽のベンチャー企業であった点もあり、また高濃度で使用する機能性タンパク質は価格が安いのであまり自社合成してもコストメリットはでないと考えておりました。
一方、低濃度で高価だった成長因子の低価格化がすすみ、高濃度で大量に使用する機能性タンパク質のコスト負荷も相対的に高くなってきており、特に複数の培養畜肉企業から要望が出始めました。このため、今回対応を考えました。ご指摘のように、広くヒアリングし、数年後の価格トレンドを見越しての対応を行う必要を痛感しています。今回の新しい取り組みは、数年後の機能性タンパク質の価格トレンドにも対応できるようにするためです。
Q: 出願中の特許のうち異議申立てを受けている案件があったと思いますが、解決の目処は立ちそうですか?
企業リスクとして考えておいた方が良いですか?
南代表の回答(クリックで開きます)
弊社特許6945902号についてのご指摘かと存じます。異議申立て自体は、該当特許の一部請求項について限定されております。
最悪のケースとして、一部が取消となっても、取り消された請求項に関わる技術は公知となるものの、他は権利維持されると考えております。従い、該当技術部分の権利主張ができなくなる可能性は否定できませんが、その場合でも事業継続に影響はなく、従い企業リスクとしては極めて低いと考えています。
Q: いつも陰ながら応援しております。
貴社の目指すM&Aによる売却が実現した場合、例えば穀物メーカーや食品メーカーが売却先だとしたら、再生医療の事業も含めてということになるのでしょうか。
南代表の回答(クリックで開きます)
M&Aとしては、現状会社売却を考えており、事業別の事業売却ではいまのところ考えておりません。
従い、現状では、再生医療事業も含めて丸ごと、と考えています。
Q: 海外展開について教えて下さい。
「培養肉がすでに製造承認されているシンガポールを優先し、政府支援の厚いヨーロッパ、アメリカ等に対して事業開発活動を広く行う計画」とありますが、もう少し具体的に戦略があればお聞きしたいです。
南代表の回答(クリックで開きます)
シンガポールは、原料輸送(ドライアイス輸送)も極めて短納期での配送ができ、また、コムギ等の原材料は、日本と同じく輸入になりますので、国内製造で対応を行い、将来的にはスケールアップが進んだ段階で現地フィールドサポートのメンバーを配したいと考えています。
欧州については、政府・大手食品・大手プラントメーカーがインキュベーション機能を持った施設を作る動きがあります。例えばスイスのニュートリションバレーは、パイロット生産(試験的な生産)ができる設備を備え、培養肉企業・精密発酵企業等を育成することが目的です。これらインキュベーション施設に参画し、R&D段階の培養肉企業への原料販売を主体にアーリーアクセスを行い、早期にロックインしたいと考えています。また、遺伝子組換作物に対しての規制が厳しいため、主にコムギ胚芽系の非遺伝子組換技術の現地製造・普及の素地があると考えています。
アメリカについては、企業ステージがマスプロ(大量生産)直前でかつ培養畜肉企業も多いので、原料販売ではなく、スイッチングコストの低い成長因子自体を主にプロモートしたいと考えています。
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